けい酸塩系防水材および工法を選定するための確認事項

けい酸塩系防水材は材料および工法により性能が大きく異なるため、防水材として使用可能な材料および工法を規格化された試験方法により確認し選択する必要があります。
詳細は [躯体防水資料] 細孔充填 を参照ください。

①十分な固形分量を確保していること

空隙を埋めるためには単位面積あたりの固形分量を確認することが重要で、
希釈率および設計塗布量と乾燥固形分率により求めます。
乾燥固形分率を試験により確認することが必要です。

②再反応性を有していること

施工後新たに発生する空隙も継続的に埋めるためには、再反応する材料を選定する事が重要となり乾燥固化後再溶解試験および再反応試験により確認することが必要です。

③中性化したコンクリートにも反応する性能を有していること

コンクリートの水酸化カルシウムは空気と触れると速やかに中性化します。
空隙やひび割れ内面も中性化が進むため中性化したコンクリートと反応する材料を選定することが重要となり、中性化したセメントペーストと材料の反応試験により確認することが必要です。

④微細ひび割れの水密性を確保できること

けい酸塩系防水材は微細ひび割れを埋める事によりコンクリート本来の水密性を確保することを目的としています。
0.2㎜未満の貫通ひび割れを作成した試験体を使用した、ひび割れの透水抑止性試験により性能を確認することが必要です。

⑤材料特性を熟知した技術者による施工体制が整っていること

防水の品質を確保する為にはコンクリートに関する知識と材料特性を熟知し、コンクリートの空隙に固形分を多く浸透させ反応に適した条件を整えるための知識と技が必要となります。
施工体制や施工計画書、および作業責任者の実績等を確認することが必要です。

当研究会では、これらを満足する材料として、けい酸塩系防水材CS-21を選定し、研究対象としています。